立春が過ぎ、各地では梅や菜の花など春の便 りも聞こえ始めた。気温は株価の乱高下の如 く寒暖を繰り返しているが、やがて三寒四温 となり春になるのだろう。春は出会いと別れ の季節というが、本格的な春を迎える前に、 プロジェクトの異動の話があった。燻ってい るプロジェクトで定時で帰らずに、燃え盛る プロジェクトで火中の栗を拾えという指令だ。 楽しかろうがつまらなかろうが、知らぬ間に 根回しされ、舞台を整えられては断れない。 半年ばかりお世話になったプロジェクトで引 継を済ませた。プロジェクトに未練はない、 誰が入っても泥沼なのだ。ただ、とても気に なる人がいて、その人と会えなくなるのが心 残りだ。秋の夕日は人恋しくなるが、春とて それは同じこと。沈みゆく太陽を見て想う。 陽はまた昇る、されど今日の陽は帰らない。 辺りが薄暗くなり始めた。そろそろ帰らねば。 月曜の憂鬱を乗り越えるモチベーションを失 い、暫くはサザエさんシンドロームになるな。