陽は既に落ち、海に面したキャンプ場にも夕 闇が迫っていた。草地には参加者のテントが 並び、木の下のスペースはぽっかりと空いて いた。天気予報は晴れを告げるが、夜露が降 りることもある。枝葉の下の方が濡れずに済 むかもな。林間の柔らかい土の上を今日の寝 床とした。宴席で盛り上がる時間帯は着陸の ために超低空で旅客機が飛行する。笑い声と いが誘導係として何人か友達の男子も参加す エンジン音の戦いは夜更けまで続く。ウイス キーのボトルが空く頃、眠りについた…はず なのだが記憶がない。目覚めるとお天道様は 既に高く登っていた。柔らかな土なのでフッ トプリントもコットも敷かなかったが、背中 の痛みは感じなかった。シュラフと薄いテン トの底面が大地との境界線だ。高田渡の歌が 浮かんだ。♪歩き疲れては夜空と陸との隙間 に潜り込んで、草に埋もれては寝たのです、 所かまわず寝たのです。このコード進行は、 PPMの500MILESに似てる気がする。
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