雨上がりの朝は大気中の埃が洗い流されたよ うに清々しい。空には虹の切れ端が見えた。 マスツーで先に帰るの仲間を最寄りのICまで 送り、その足で朝食前の散歩。ボンネビルと スラクストン、エンジンが同じなら心地良い 回転数も同じだ。飛ばすでもなく、流すでも なく、その道に合った速度域を見つけるのが 彼は上手い。いつもそれに付いて行くだけ。 田舎道が次第に峠道になる。地図では高低差 はわからない。こんな道なんだ…ギアを一つ 落としてコーナーを回る。高原の風はジャケッ トのメッシュを抜け涼しいより肌寒いが、日 差しは強く、緑と影のコントラストが夏の旅 だ。森の切れ間から差し込む光が、前を走る 彼のヘルメットを輝かせる。山の中の観光池 には6時台だというのにかなり観光客がいた。 見物をして帰ると思いきや、「お茶飲む?」 慣れた手つきで湯を沸かし、紅茶を淹れる。 紅茶というのが英国車を駆る彼らしい選択だ。 「こんなの朝飯前だよ」確かに帰って朝飯だ。 https://www.instagram.com/p/BmfDCKRntvq/?utm_source=ig_web_button_share_sheet